注文住宅の購入を検討されている方にとって、計画から実現までの課程で様々なことを決断しなくてはなりません。
その中の一つとして、数多くの業者の中から一つ業者を決めることは、様々な迷いが発生したり、評判なども気になったりと、かなり難しい決断の一つです。
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また、業者の選び方によって、自分の理想の注文住宅を実現できるかどうかに大きく影響してきます。
一般的に注文住宅を依頼する業者は2つに分かれます。
まず、1つ目が工務店です。多くの工務店は、中小規模で地域に特化した形態で運営されています。
2つ目の業者は、大手ハウスメーカーです。比較的運営規模が大きく、建築資材の規格化や住宅の大量生産を行い、テレビのCMや広告でよく見られるハウスメーカーがそれに当たります。
また、いわゆる大手ハウスメーカーとは別に、ある地域に特化しながらも、住宅の規格化を通じて住宅の大量販売を目指す業者も、いわゆるハウスメーカーとして認識されています。
注文住宅を検討されている方で、業者選びに困っている方の為に、今回はハウスメーカーに焦点を当て、ハウスメーカーを選ぶことのメリットについてご紹介いたします。
大手ハウスメーカーを選択することにはどのようなメリットがあるか
まず、そのメリットの一つとして他の製造メーカーと同じように、
【1】自社で製造する製品の品質管理に徹底している
日本を代表する車や電化製品の製造メーカーなどは、その製品に欠陥があるとリコールや商品の交換、修理など余分な経費が掛かったり、人的リソースが必要になってきます。
また、顧客満足度の低下などの原因になったり、企業にとって大きな損失をもたらします。
そのため各メーカーには通常、製品やサービスの品質を管理する専門の部署が設けられています。
ハウスメーカーも同様に、住宅の建築後に欠陥などが発覚すると評判が悪化したり、余計なリソースが発生したり、大きな損失を引き起こすリスクがあるため、通常、住宅に関する品質には徹底していると考えられます。
また、品質管理と同様に、大手ハウスメーカーには製品の研究開発費を十分に確保していることから、耐震や免震技術などの地震への対策や火災に強い住宅の開発、また近年では環境にやさしいエコ住宅などの開発技術も期待できることがメリットに挙げられます。
【2】規格化通りの住宅を購入する場合は割安になる
次なるハウスメーカーのメリットといえば、規格化された住宅を大量販売することがその主な特徴の一つであることから、規格化通りの住宅を購入する場合は割安になることが挙げられます。
土地の形状や状態、広さによっては特別なカスタマイズする必要があったり、注文住宅のように購入者のこだわりや要望に基づいて建築される場合は、ハウスメーカーに依頼すると大幅に割高になることがあります。
とは言っても、大手ハウスメーカーの場合、規格化された住宅の種類も数多く用意されているので、ただ一つの決められたタイプから選ぶのではないので、その分購入者の好みに合ったタイプがある可能性も十分にある可能性があります。
【3】大手だからこそ実現できるメリット
まずその一つとして企業としての安定性が挙げられます。
一般的には、品格法によって施工業者の希望やタイプに関わらずある程度の保証は付与されますが、大手ハウスメーカーの中には、更に充実した保証やより長い保証期間を設けている場合もあるのでより安心できるメリットがあります。
また、大手メーカーの強みとしては、会社の倒産や消滅の可能性が一般的には低いこともあり、完工前の不履行や建築後のアフターサービスや保証の消滅などを避けれる確率が高いことも挙げられます。
【4】ローンの組みやすさ
ローンについては、最終的にはローンを組む住宅の購入者によって変わってきますので一概には言えませんが、大手ハウスメーカーは住宅の販売数や取扱数の実績が豊富なことから、金融機関との信頼関係が構築されていることにより、ローンが組みやすくなることも挙げられます。
ポイント
この他にも大手ハウスメーカーを選ぶメリットが多く挙げられますが、同様に工務店にも多くのメリットがありますので、双方のメリットを十分に検証した上で、どちらのタイプの業者を選択するか決断することをお薦めいたします。
注文住宅は業者選びがポイント(業者選びで、数百万円の差が!)
星の数ほどある業者(ハウスメーカー・工務店・設計事務所)の中から自分の資金計画に合ったハウスメーカー・工務店を選ぶのは至難の業です。
依頼するハウスメーカーや工務店によって、また間取りをどのようにするかで、かかる総費用は大きな差が出てきます。
各ハウスメーカーの耐震の取り組み
今や住宅の性能を語るうえで、耐震技術を欠かすことができません。
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、各ハウスメーカーでは耐震技術のさらなる向上を図っています。各社の耐震技術への取り組みを紹介します。
建築基準法による耐震規定とは
地震列島といわれる日本では、耐震技術の高い住宅に消費者の注目が集まっています。
少々割高でも地震に強い住宅を求めるユーザーが多いのが実情です。
各ハウスメーカーでは、耐震技術革新に向けて取り組み、格段の進歩を見せています。
ここで気になるのが、高級ブランドとローコストのハウスメーカーの耐震性ではないでしょうか。
建築基準法による規定では「耐震等級1=震度5強までは無傷」というレベルを全住宅メーカーに義務付けています。
「耐震等級1」は東日本大震災級の震度6弱~7でも倒壊しない基準です。
この等級は1~3まで3段階あり、「耐震等級2」以上では震度6弱までなら無傷で6強~7でも倒壊しないことを基準にしています。現在はほぼ全てのハウスメーカーは「耐震等級3」を標準仕様にしています。
数十回の耐震テストを繰り返してチェック
各ハウスメーカーでは、実際に販売する住宅で耐震性能のチェックをしています。
国立研究開発法人防災科学技術研究所の「実大三次元震動破壊実験施設」(E-ディフェンス)で各メーカーが実験を繰り返しています。
ダイワハウスでは、大地震、中地震など80回以上に及ぶ加震実験をしています。
基礎と建物をつなぐアンカーボルトの強度などのテストをしています。
三井ホームでも「プレミア・モノコック構法」の住宅で震度7に60回耐える実証実験をしています。
ローコスト住宅のタマホームでは、木造の一般的な軸組工法ではなく、耐力面材による「大安心の家」があります。揺れを面で吸収し、「耐震等級3」を確保しています。
番外編:よくある注文住宅のトラブル事例
注文住宅は一生に何度もない高額な買い物です。
しかし、熟慮を重ねて購入しても、トラブルが起きることがあります。
ここでは、トラブル事例を紹介し、失敗しない方法を伝えます。
注文住宅の施工中に起きるトラブル
注文住宅の施工中に頻出するトラブルでは、工期の遅れ=納品の遅れがあります。
天災や気象状況の悪化などを除き、多くの原因は無理な工程や実際に施工する地元工務店の調整力不足からくるものです。
工期が遅れると、借り住まいを賃貸している場合、家賃が余計にかかります。
場合によっては、違約金などのペナルティーが派生することもあります。予約していた引っ越し業者にも違約金がかかるケースもあります。
施工業者の責による工期の遅れは、これらの損害を補償請求できます。
ただし、感情的になって工事を急かせば、仕事が荒くなり、住宅の性能が劣ることが想定されるので控えた方が無難です。
工期の遅れに対応する三大確認ポイント
- 契約前に工期の遅れに伴う補償負担を確認
- 契約書に完成時期と引き渡し日が明記されているか確認
- 工程表を書面で入手できるか確認
施工後に出てくるよくあるトラブル
注文住宅では完成後にもトラブルが起きます。
イメージ通りではなかったというケースがあります。
時間や季節によって外壁の色が違ったり、室内が圧迫感を感じたりします。施工前に担当者と綿密なコミュニケーションを取れば防ぐことができます。
トラブルで多いのが住宅の瑕疵です。
基礎にひびが入っていたり、注文と違うキッチンやバスルームが設置されたりするケースがあります。資材搬入時に壁や床、天井などが傷つくケースもあります。
施工後のトラブルを防止するためには、施工現場にこまめに顔を出して仕様書を見ながらチェックします。
完成して引き渡しが近づくと、「完成見学会」が実施されます。ここで住宅の内外をチェックし、気になる点があればスマホなどで撮影することをおすすめします。