
背景にはインフレや資材高騰に加え、鉄や木材など構造材そのものの価格上昇があるため、木造住宅と鉄骨住宅を比較して選ぶ今後の家づくりにも重要な影響があります。
特に、ウッドショックによる木材価格上昇、アイアンショックによる鋼材(鉄材)高騰という二重の圧力が、木造と鉄骨構造それぞれに波及しています
<関連記事>
2025年ハウスメーカーに「値上げの波」が到来。価格だけでなく「価値」で考える選び方。
【最新】2025年ハウスメーカー坪単価 ランキング トップ20 。値上がりでどう変わったか。
<PR>
マイホームを建てたいけど何から始めればいいか分からないし、どこのハウスメーカーがいいのか決められない。
そんな時はプロに相談することで、疑問点がまとまり次に進みやすくなります。
無料で「家づくり計画書」を依頼することができ、具体的なオンラインサポートに定評があります。
town life(タウンライフ) 家づくり 公式ホームページ
構造別の値上げ状況
● 木造住宅(ウッドショックの影響)
木造を得意とする一条工務店や住友林業は、自社ルートでの木材調達などにより一部値上げを抑えていますが、他の材料高騰の影響で坪単価は上昇しています
一方で、タマホームやアイフルホーム、アイ工務店などは坪単価で5~8万円、建物総額で数百万円規模の値上げを強いられています。
世界的な需要増と物流遅延により、日本でも高止まりが続いており、ウッドショックは収束傾向ながら依然高水準です。
● 鉄骨住宅(アイアンショックの影響)
鉄骨構造を扱う積水ハウス、ヘーベルハウスなども、鉄材価格の高騰により坪単価で数十万円単位の影響を受けています。
特に、重量鉄骨や高度な制震構造を標準とする製品ほど値上がりが顕著です。
中国等での需要回復や円安が重なり、鉄鋼価格は2022年前後から30%以上上昇しており、今も高値安定傾向です。
●構造別「坪単価比較サマリー」


構造ごとのメリット・デメリットとの比較ポイント
●木造住宅を選ぶなら:
メリット:断熱性が高く、温かみある内観。選択肢が多く坪単価を抑えられやすい
デメリット:木材価格の変動に弱い。長期的には耐久性・メンテ費の視点も重要。
●鉄骨住宅を選ぶなら:
メリット:大空間設計、高い耐震性と制震構造が可能。木造より耐久性も高い。
デメリット:鉄材価格の上昇を直接受けるため、坪単価が上がりやすい。断熱対応に注意。
賢く選ぶための提案とポイント
●希望プランの構造を明確化:
大空間重視かエコ重視か、省エネ住宅重視かを先に考える。
●相見積もりする:
複数メーカーで相見積もりを実施し、木造・鉄骨両方を比較対象にする。
●材料コスト上昇の背景も確認:
鉄骨と木造、どちらが優位価格なのかをメーカーごとに確認する。
●補助制度との相性も検討:
ZEH補助、断熱補助など、どちらの構造が制度対象になるか確認する。
●保証・メンテナンスとの比較:
構造ごとに保証内容や長期維持費が異なるため、比較表をまとめて確認する。
【参考】メーカー別|構造×標準仕様 比較一覧表(2025年版)
メーカー名 | 構造タイプ | 標準仕様の主な内容 | 特徴・備考 |
---|---|---|---|
一条工務店 | 木造パネル | ・全館床暖房 ・トリプル樹脂サッシ(防火対応) ・超高断熱(UA値0.25〜) ・太陽光発電+蓄電池(ほぼ標準) | ZEH率90%以上。断熱・創エネの性能は国内最高クラス |
住友林業 | ビッグフレーム構法(木造) | ・国産無垢材仕上げ ・高断熱サッシ(アルミ樹脂複合) ・制震構造オプション ・外壁通気工法 | 木の質感・意匠性が高く、設計自由度も高い |
積水ハウス | 鉄骨造 | ・高耐震鉄骨フレーム+制震装置 ・エコキュート標準 ・断熱等級6対応 ・長期保証(最長60年) | プレハブ式で品質安定、間取り自由度も高い |
ヘーベルハウス | 重量鉄骨+ALC外壁 | ・耐火・耐震に強いALC外壁(60年保証) ・制震フレーム+免震オプション ・断熱等級6 ・メンテナンス性重視 | 火災保険が割安になるほどの防火性。高耐久 |
クレバリーホーム | 木造軸組(モノコック) | ・外壁タイル標準 ・ZEH水準断熱 ・樹脂複合サッシ ・耐震等級3対応 | ミドル価格帯ながら高耐久+外観高級感 |
タマホーム | 木造軸組 | ・省令準耐火構造 ・断熱等級5以上 ・外壁サイディング標準 ・オール電化対応 | コスパ重視、プラン数豊富で価格調整しやすい |
アイフルホーム | 木造軸組 | ・グラスウール断熱 ・アルミ樹脂複合サッシ ・長期優良住宅対応 ・低価格帯でも高断熱仕様 | LIXILグループ傘下。水回りなどの設備面に強い |
アエラホーム | 木造軸組 | ・吹付断熱(アクアフォーム) ・ダブル断熱構法(外張+内断熱) ・太陽光パッケージ対応 ・省エネ基準クリア | 高断熱を前面に押し出したエコ住宅。性能面は非常に優秀 |

ハウスメーカーの値上がりは、単純に坪単価が上がっただけでなく、その背景には構造選びによる材料コストの違いと各社の調達戦略の差があります。
そのため、構造別に性能や補助制度との相性を比較し、値上げ前提で起こる総費用を把握することで、より理想に近い家づくりが可能となります。